アップセルとクロスセル
あらゆるビジネスで行われているこのアップセルとクロスセル。
ご存知の方も多いと思いますので、あくまで簡単に触れますと
購入者が希望されている商品やサービスのグレードを上げたものをご提案するのがアップセルです。
例えば、旅行代理店で結婚記念日を海外で過ごしたいというご希望のカップルに
夜景の素敵なレストランでの食事に花束の贈呈や記念写真付き
お部屋はちょっと豪華なスイートで過ごすアニバーサリープランをご提案するのはまさしくアップセルです。
これに対して、ご希望の商品に関連する商品を一緒にお勧めするのがクロスセルです。
最も有名なのが、マクドナルドなどのファストフード店で注文時に
「ハンバーガーとご一緒にポテトはいかがですか?」
と店員がマニュアル通りに語りかけてくるあれです。
他にもネット通販などで
「この商品を見た方はこんな商品も見ています。」
とデータベースから抽出した商品群を提案する方法もあります。
最近では、一度クリックした商品をその人の嗜好品として一定期間表示するプログラムまであります。
amazonや楽天市場はそのようなバナーを用意していますので
ユーザーとしては「このサイトは、自分の趣味をなんで知っているんだろう」
と驚いたり感心したりする訳です。
そうやって、最初から買おうと決めていた商品だけでなく
周辺機器やグッズもついでにまとめて買っておこうとなります。
便利というか、すごい世の中になったものですね。
上記の2つの方法を使って、○○個以上買ってくれたら割引や
○○円以上ご購入で送料無料などのまとめ買い特典や
定期購入に誘導するのは購買単価を上げる常套手段です。
アップセル、クロスセルを行うタイミング
しかしながら、お客様の購入単価を引き上げるこの2つのテクニックは
タイミングを間違えるとお客様のご不興を買い、+αどころか、ゼロ
もしくはニ度と来てもらえないマイナスの可能性もありますので注意が必要です。
購入しようかどうか迷っている時に
「あれはどうですか、これもオススメですよ!」と売り込みが過ぎると
お客様は逃げて行ってしまいます。
では、いつやるか?
それは、「今でしょ!」ではなく、ご購入を決断された時です。
マクドナルドの店員も、レジで注文するまではサブメニューを勧めては来ません。
商品と一緒にレジに立った瞬間、ネット通販ではカートボタンを押した瞬間
そのテクニックは効果を発揮します。
お客さまにとって喜ばれる提案をする。
これが最も重要なのですが、アップセル、クロスセルで行うご提案は
お客さまにとって喜ばれる提案でないと意味がありません。
例えば、スマートフォンを買う場合、精密機器ですので
万が一落としたりしても大丈夫なように、カバーやケースは必要となりますよね。
しかしその機能だけを求めるならば、極端な話100円ショップで購入してもいいはずです。
でもせっかくならば、人と違う自分だけのオリジナルなものにしたい。
最新機種をカワイクやカッコ良く、自分に合った個性を演出したい。という欲求も出てきます。
そういう、モノとしての機能だけでなく
持っていることで喜びを感じるような価値をご提案ができれば
お客様は良い買い物ができたと満足されると思います。
案外、お客様は最初から買うモノを決めて来店されないものです。
ご自身でも思い出していただきたいのですが
ウィンドウショッピングやネットサーフィンなどしている時は、
お客様は何が欲しいのか気付いていないことの方が多いのです。
そんなときに、専門的な知識やコーディネイトができる店員さんに
商品そのものではなく、それを使うことによって得られる価値や体験をイメージさせてもらえると
新しい発見や明るい未来を想像して買い物が楽しくなります。
当然、楽しい体験を提供してくれた店員さんやお店に対して
良い印象を持つことは必然と言えるでしょう。
まとめ
購買単価をあげながら、なおかつ気持ち良く買い物をしてもらうことができる。