これまで4回に渡り検証してきましたシリーズ
[健康食品に対する意識は10年でどう変わったか?]
今回が最終回です。
前回に引き続き
『平成26年度第4回インターネット都政モニターアンケート結果 健康食品』
から「健康食品」の購入時に参考にしている情報を見ていきましょう。
設問の中に
「あなたは、「健康食品」の広告や表示、その他製品情報の表現についてどのように感じていますか?」
というものがあります。これも非常興味深い設問です。
・信用できない表現が多いとおもう 62.2%
・特に感じることはない 28.0%
・信用できる表現が多いと思う 9.8%
(※有効回答数460)
結果は、健康食品の広告はあまり信用されていないというものでした。
売るためには、良いことしか言わないのは健康食品に関わらず広告の常なので
それも仕方ないことなのかもしれません。
しかし、平成15年度の調査では、
・信用できない表現が多いとおもう 55.9%
・特に感じることはない 30.2%
・信用できる表現が多いと思う 13.9%
<参考>平成15年度調査(有効回答数496)
という結果でしたので、以前と比べて
健康食品の広告に対する信用が低下していることが分かります。
ちなみに、「信用できない表現が多いと思う」
を選択した回答者に対して
「信用できない表現が多いと感じるのはどのようなものですか。」
とたずねた結果は
- テレビ・新聞・雑誌などのCM・広告 64.3
- 商品のチラシ、パンフレット 52.8
- インターネットの広告 26.6
などとなっています。
(※設問から2つ選択。有効回答数286)
通信販売でCPO(コスート・パー・オーダー、
一件の新規注文を獲得するために必要な費用)
が高くなったと聞きます。
競争が激化したのが主因と思いますが、広告自体の信用低下も関係しているのだと思います。
顧客の満足度は、期待に対するリターンの割合で上下します。
他社商品よりも安くハイスペックであったとしても
リターンが広告表現よりも低ければ顧客は、不審を持つものだと思います。
一度や二度は、文字通り(だまされたと思って)購入してくれることもあるかもしれません。
しかし、本当にだまされたと思わせてしまったら
その商品だけでなく健康食品自体を二度と購入しなくなってしまうかもしれません。
そうならないためにも絶対にありえない効果効能を表示するのではなく
節度ある本当のことのみを書いた広告表現にしなければならないのではないでしょうか?
オープンソースとして公開されている
『平成26年度第4回インターネット都政モニターアンケート結果 健康食品』
を読み解きながら
健康食品に対する意識が約10年の間にどのように変わったのかを見てきました。
今年度から「機能性表示」の新制度がはじまります。
しかし、エビデンスがあるからといって広告で何を謳っても良いわけではありません。
以前、『「ひと」に共感してもらう:コンセプトの伝え方』でお伝えしたように
良いプレゼンテーションは「説得」のために行うのではなく、ユーザーに「納得」してもらうことが大切です。
今こそ、販売者の伝えたいことを一方的に押し付けるのではなく
利用者(購入者)の最大利益を念頭に広告表現をしていくべきではないでしょうか。
ご参考になれば幸甚です。